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ドクター紹介
目次
鼻根部へのヒアルロン酸注入には失明のリスクがあります。実際に失明に至った症例を挙げながら、失明の可能性について、医師が解説します。鼻根へのヒアルロン酸注入で違和感を覚えたときにできることや、ヒアルロン酸注入よりも安全な整形、ヒアルロン酸注入に失敗しないためにできることを紹介します。
ヒアルロン酸は人体を構成している成分の１つです。ヒアルロン酸注入とは、ヒアルロン酸製剤を注入し、内側から希望の部位をボリュームアップしてしわを改善したり、鼻や顎の形を整えたりする治療です。製剤はアレルギーが起こりにくく、約30分の施術で注入直後から効果を感じられ、ダウンタイムも小さな腫れや内出血程度です。術後の生活上の制限も殆どありません。
効果の持続期間は個人差や製剤による違いがありますが、鼻へのヒアルロン酸注入の場合は数か月～18か月程度です。
鼻のヒアルロン酸注入の目的は、鼻に高さを出したり鼻筋を通したりするため。通常は背部に注入しますが、鼻根部に注入するとわずかに失明のリスクがあります。ヒアルロン酸を皮下ではなく誤って動脈管内に注入してしまうと、血管を詰まらせる「動脈塞栓」が起こり、その先に続く組織に栄養を送る血流を止めてしまうことがあります。
目に続く血管が詰まれば、失明の確率は高いです。特に鼻根をはじめ、ほうれい線の小鼻付近は、失明や皮膚壊死につながる注入リスクの高い部位として知られています。
ヒアルロン酸注入による失明は、海外だけでなく日本でも実例があります。2014年には「美容整形目的で鼻背へヒアルロン酸注射後に眼動脈閉塞を来した1例」という症例報告がされています。
この例では、20歳の女性が美容整形目的で鼻根および鼻背にヒアルロン酸注入を受けた直後、眼球に栄養を送る血管である眼動脈が詰まり、ヒアルロニダーゼを注入したものの改善しませんでした。救急搬送先でも高圧酸素療法などさまざまな処置を受けたものの、結局、右目の視力を失い回復しなかったとのことです。
視力回復を図るために試みることのできる処置はありますが、元に戻るという保障はありません。
参考URL：http://journal.nichigan.or.jp/Disp?style=abst&vol=118&year=2014&mag=0&number=9&start=783
『野々村咲子・忍足俊幸・三浦玄・千葉晃大・山本修一（2014）.日本眼科學會雑誌118（9）783-787』
鼻根のヒアルロン酸注入で違和感を覚えたら(特に強い痛み)、注入中であればすぐに伝え、帰宅後であればなるべく早く医療機関を受診し、少しでも早く溶解注射を打ちましょう。
ヒアルロン酸による動脈塞栓が起こると、注射直後から違和感を生じることがあります。前出の失明の例でも、注射直後から、視力障害、頭痛、気分不快、両腕の麻痺などの自覚症状がありました。
眼動脈塞栓を起こすと1～2時間で失明に至るとも言われており、即座に応急処置をする必要があるため、注入中に違和感を生じたらすぐに伝えましょう。
動脈塞栓は注入直後に生じることが多いものの、帰宅後や翌日など、時間が経ってから生じることがあります。動脈内には入らずとも、皮膚に入ったヒアルロン酸が血管の外から動脈を圧迫し血流を悪化させることもあります。異変に気づいたら、なるべく早く医療機関を受診する必要があります。
ヒアルロン酸製剤は溶解注射（ダーゼ）で分解されます。動脈塞栓の原因は、血管に詰まったヒアルロン酸製剤。ダーゼという溶解注射を打つことが、動脈塞栓の解決策となる可能性もあります。ただし、すぐに溶けて元に戻るわけではなく、直後から数日かけて分解されるため、血流が戻らなければ失明を免れない可能性もあります。
鼻根へのヒアルロン酸注入による失明の発生は稀ですが、リスクの大きさを考慮し、取り扱いの無いクリニックも多くあります。注入する深さやスピードに注意する、カニューレを使用するなどの対策を講じたうえで、解剖学を熟知した経験豊富な医師が行えばリスクを抑えることはできますが、ゼロにはなりません。
鼻を高くする整形で、鼻根へのヒアルロン酸注入よりも安全な方法を検討してみましょう。
動脈塞栓による失明のリスクが低いという点では「鼻プロテーゼ」が挙げられます。プロテーゼは軟骨に似た医療材料。鼻根部から鼻筋にかけて挿入することで、鼻筋を通すことができます。鼻の穴の中からメスを入れるため、痛み・内出血・腫れなどのダウンタイム症状は生じますが、見えるところに傷はできません。
1週間程度ギプス固定を行いますが、ダウンタイム中に仕事もできます。完成までは約3か月で、半永久的な効果が得られるのも魅力です。
ヒアルロン酸注入に失敗しないためには、リスクについてしっかり説明を受け、実績のあるクリニックで治療を受けることがポイントです。
ヒアルロン酸はメスを用いず手軽にできる治療ですが、失明や皮膚壊死のリスクもあります。リスクについてはしっかりと説明を受けて納得してから治療に臨みましょう。
また、クリニックにより治療方針は異なります。鼻根部に注入を行う・行わないなど、リスクの高い部位に対する考え方や対策も確認しておきましょう。
ヒアルロン酸注入の仕上がりは医師の技術により差が出ます。動脈塞栓などのリスクを回避することはもちろん、部位ごとに適した製剤の選択やおひとりおひとりに合った注入量・注入ペースの見極めも、医師の技術のうち。ホームページやSNSで医師の経歴や症例写真を確認し、口コミなども参考にしつつ、実績のあるクリニックを選びましょう。
ヒアルロン酸注入の相場は、1㏄当たり20,000円～150,000円程度。費用には針代や製剤代、麻酔代などは含まれる場合と含まれない場合があり、確認が必要です。相場より安い場合は安全でない製剤を使用しているか、技術が未熟などの理由があるかもしれません。反対に相場より高い場合は、余計な治療を行っている可能性も。初回キャンペーンを行っているクリニックもありますが、ヒアルロン酸治療は効果を持続するためにある程度治療を重ねる必要があります。
同じクリニックで経過を診ながら、継続して治療を受けることを考慮し、リピートしやすさを念頭において治療先を選びましょう。
イセアクリニックでは、治療前の無料カウンセリングを受け付けています。リスクやデメリットなど、気になることについては納得いくまで何度でもご相談ください。
ヒアルロン酸注入は技術や経験の豊富な医師が担当し、デザインや注入量、注入ペースを考慮し、安全にきれいに仕上げます。原則として、鼻根部への注入はリスクを避けるため行いません。
料金は注入量に関わらず部位ごとに設定。針代や製剤代など諸費用をすべて含んでいます。ヒアルロン酸の徐々に吸収される性質を考慮し、2回目以降の施術が割引になるアフターサービスも充実しています。
ヒアルロン酸注入のリスクに関するよくある質問にお答えします。
ヒアルロン酸注入には、アレルギーや感染、動脈塞栓のリスクがあります。動脈塞栓を起こすと皮膚壊死や失明のリスクがあります。
ヒアルロン酸注入についてご自身でも調べたうえで、実績のあるクリニックを探し、カウンセリングでリスクに関しても十分な説明を受け、納得してから治療に臨むことです。ご希望によっては、適応となる別の治療を検討してもよいでしょう。
ほうれい線の小鼻付近、眉間～鼻根付近は、ヒアルロン酸の動脈への誤注入から失明や皮膚壊死につながるリスクの高い部位です。
今回は以下の内容についてお伝えしました
・ヒアルロン酸注入とは
・鼻根へのヒアルロン酸注入による失明の可能性
・鼻根へのヒアルロン酸注入で実際に失明した症例
・鼻根のヒアルロン酸注入で違和感を覚えたときにできること
・鼻根へのヒアルロン酸注入は行っていないクリニックも多い
・鼻根へのヒアルロン酸注入より安全な整形はある？
・ヒアルロン酸注入に失敗しないためには
・イセアクリニックのヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入は、皮膚にヒアルロン酸製剤を注入してボリュームを出し、しわを改善したり成形したりするものです。鼻根へのヒアルロン酸注入は失明のリスクがあり、国内でも事故の症例があります。注入中や注入後に違和感を覚えたらすぐに医師やクリニックに伝え、直ちにヒアルロニダーゼを打ちましょう。
鼻根へのヒアルロン酸注入は行っていないクリニックも多く、鼻筋を通すならば、安全性の高さから鼻プロテーゼがおすすめです。ヒアルロン酸注入に失敗しないために、リスクについて説明を受け、実績のあるクリニックで治療を受けましょう。
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