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  • 唇のヒアルロン酸注入は失敗することもある?形成外科医が解説!

    投稿日:
    2021/09/13
    ヒアルロン酸
    大山 希里子医師
    著者
    東京イセアクリニック
    皮膚外科医
    大山 希里子

    Shere

    唇のヒアルロン酸注入

    唇は年齢とともに痩せて薄くなります。

    ヒアルロン酸製剤を注入し唇の本来のボリュームを取り戻すことで若々しい印象を与えることができます。

    また、唇を前に出すことで美人の象徴であるEラインを整えたり、鼻と上唇の間を短く見せたりといったこともできます。

    失敗のケースとその原因

    唇へのヒアルロン酸注入による失敗には、「唇が青く透けて見える」「腫れぼったくなる」「しこりになる」「塞栓を起こす」などがあります。

    それぞれの原因について解説します。

    ヒアルロン酸が青く透けて見える

    唇や目元は皮膚が薄いため、ヒアルロン酸を皮下の浅い位置に注入すると青白く透けてしまうことがあります。

    浅すぎず皮下の正しい位置のみに注入することで、透けを防ぐことができます。こうしたリスクは、医師の経験や技術によりカバーできます。

    腫れぼったくなる

    唇への注入量は1㏄程度が目安です。

    注入量が多かったり注入を繰り返したりすると、唇に限らず頬や額、こめかみや鼻筋であっても、注入箇所が腫れぼったく「いかにもヒアルロン酸を注入した顔」になってしまうことがあります。

    ただし、ヒアルロン酸は時間の経過とともに吸収されることから、適量を守り、吸収量を補う形で注入していけば、それほど腫れぼったく目立つことはありません。

    やりすぎにならないよう、事前のカウンセリングを上手に利用して理想の唇を維持しましょう。

    しこりになる

    ヒアルロン酸はもともと人体に含まれる物質であり、非動物性の製剤は比較的アレルギーリスクが低いものですが、異物である以上、拒否反応が起こることもあります。

    繰り返し注入する程しこりのリスクも高まりますが、唇への注入量は1㏄程度と少ないため、他の部位よりは、しこりになりづらいと考えられます。

    塞栓を起こす

    ヒアルロン酸は皮下に注入するものですが、誤って動脈に注入してしまうと血管を塞いでしまいます。

    血管が塞がれると、その先にある皮膚に酸素や栄養が送られなくなるため皮膚が壊死してしまいます。

    塞栓を起こした場合は、強い痛みがあります。

    注入に細い針を用いることで、塞栓のリスクが高まります。

    失敗してしまったらどうすればいいの?

    失敗してしまった場合の対処法は、失敗の原因となるヒアルロン酸をなくすことです。

    ヒアルロン酸分解酵素「ヒアルロニダーゼ」を注入することで、ヒアルロン酸を溶解します。

    小さいしこりは溶解後、自然に吸収されます。

    唇は柔らかい製剤を少量注入するため、しこりが残ることは少ないものの、塊で注入すると厚めの被膜が形成され吸収されずに残ってしまうことがあります。

    異変に気づいたら、すみやかに医療機関にご相談ください。

    ヒアルロン酸よりも失敗しづらい方法はある?

    唇への注入治療にはヒアルロン酸の他に「脂肪注入」があります。
    ヒアルロン酸注入と比較すると、脂肪の色は乳白色のため唇に注入しても青く透けることはなく自然です。

    また、注入先の組織に脂肪が一度定着すれば吸収されることはないため効果が長期的に続き、何度も注入する必要はなくなりますが、ヒアルロン酸同様、やりすぎれば腫れぼったくなってしまいます。

    なお、脂肪注入でも、しこりや動脈塞栓のリスクはあります。
    脂肪注入はヒアルロン酸に比べ失敗リスクを避けられる面もありますが、気に入らなかった場合の修正が難しい、脂肪採取が必要、料金が高いといったデメリットもあります。

    唇のヒアルロン酸注入に失敗しないためには

    唇のヒアルロン酸注入に失敗しないためには、「注入に適した太さの針やカニューレを使う」「やりすぎない」「実績の多いクリニックを選ぶ」ことがポイントです。

    太めの針やカニューレを使う

    動脈塞栓は細い針を使用することでリスクが高まるため、太い針やカニューレを用いることでリスクを抑えることができます。

    やりすぎない

    美しい仕上がりを目指すには、パーツだけではなく全体のバランスを見ることも大切です。

    例えば自然な唇は、鼻の下と唇の境界部分のエッジのラインがなめらかで立ちすぎず、上下の唇の合わさったラインもなめらかで、口角に近い上唇が主張しすぎません。


    唇にヒアルロン酸を注入しすぎると、口角が上がり過ぎる、上唇が前に出すぎる、口角近くの上唇が主張しすぎる、鼻下から上唇のラインが唇のエッジ近くで急に上がっていく感じがあるなど、不自然な仕上がりになってしまいます。

    カウンセリングや診察の際に希望デザインについてお伝えください。

    顔との最適なバランスを確認しましょう。

    実績の多いクリニックを選ぶ

    ヒアルロン酸注入の仕上がりは医師の技術に左右されます。

    安全な注入技術はもちろん、自然で美しいデザイン、適切な製剤を選択ができることがポイントです。

    また、ヒアルロン酸はいずれ分解されてしまうため、繰り返しの治療が必要になります。

    技術力のある医師、実績の多いクリニックを見極め、経過も確認しながら治療を受けることがより安心につながります。

    まずはホームページなどで症例を確認し、カウンセリングで理想を伝え、仕上がりイメージに納得してから治療を受けましょう。

    唇のヒアルロン酸注入に関するよくある質問

    唇のヒアルロン酸注入に関するよくある質問にお答えします。

    失敗するとどうなる?     

    ヒアルロン酸注入には、以下のようなリスクがあります。

    • 目の下や唇など皮膚の薄い部位によっては、青白く透けてしまう
    • 凸凹、しこり、左右差、不自然:医師の技術力不足や筋肉の状態により、左右差などが出てしまうことがあります。注入量が多すぎて不自然になることもあります
    • 動脈塞栓:誤って動脈に注入してしまうと、血管内で詰まり皮膚の壊死が起こることもあります

    失敗した場合は、ダーゼでヒアルロン酸を溶解することができます。動脈塞栓は速やかな処置が必要です。

    唇へのヒアルロン酸注入にみられるダウンタイム症状は?

    唇へのヒアルロン酸注入のダウンタイムはほとんどなく、針を刺した箇所に小さな腫れや内出血があらわれることがありますが、直後からマスクで隠すことができ、翌日からはメイクでカバーすることもできます。

    術後に気をつけたほうがよいことはありますか?

    ヒアルロン酸の注入後は、日常生活に支障があるような大きな制限はありません。


    洗顔・シャワー・入浴・スキンケアは、患部を濡らさないようにしていただければ当日から、

    メイク・飲酒・運動・エステやマッサージは、翌日から可能です。

    ただし、患部を温めるなど血流をよくする行為は症状が強く出る場合があります。

    代謝を促すラジオ波(RF)などのマシンの使用も避けましょう。

    腫れや内出血が出ている場合は、クーリングなどで症状を落ち着かせることができます。

    まとめ

    今回は以下の内容について紹介しました。

    • 唇のヒアルロン酸注入
    • 失敗のケースとその原因
    • 失敗してしまったらどうすればいいの?
    • ヒアルロン酸よりも失敗しづらい方法はある?
    • 唇のヒアルロン酸注入に失敗しないためには

    唇へのヒアルロン酸注入での失敗には「唇が青く透けて見える」「腫れぼったくなる」「しこりになる」「塞栓を起こす」などがあります。

    主な原因はやりすぎや医師の技術不足によるものです。

    万が一注入に失敗してしまった場合、「ヒアルロニダーゼ」でヒアルロン酸を溶解できますが、動脈塞栓は速やかな処置が必要です。

    失敗を避けるには、注入のやりすぎに注意し、太い針やカニューレを使用しているクリニックや実績のあるクリニックを選ぶことがポイントです。

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    皮膚外科医 大山 希里子
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