肝斑とシミの見分け方は?タイプごとの違いや治療法を解説

投稿日:
2024/06/06
シミ スキンケア ホームケア レーザー治療 肝斑
権東 容秀医師
著者
東京イセアクリニック
日本形成外科学会 認定専門医
日本皮膚科学会 認定専門医
権東 容秀

Shere

「シミだと思ったら肝斑だった」
「シミ取りをしたら肝斑が悪化してしまった」…という話をきいたことはありませんか?
肝斑とその他のシミは、原因や治療方法が異なります。適切な治療をしないと、かえって悪化してしまうことも。では、どのように見分ければよいのでしょうか?
今回は、肝斑とシミの違いを医学的に解説し、肝斑とさまざまなシミの見分け方、治療方法を紹介します。

肝斑とシミの違い

肝斑とその他のシミは、見た目は似ていますが治療法が異なります。不適切な治療は症状を悪化させてしまう場合があり、区別が重要です。

肝斑とは

肝斑とは、主に頬骨あたりにできる左右対称の薄い褐色から暗褐色の、もやっとしたシミのことです。

前額・頬・上唇・下顎にできることもありますが、目の周囲には出来ず、色が抜けたように見えます。

発症年齢は30~40代が多く、60代以降で発症することもありますが少ないです。

女性ホルモンが何らかの形で影響していると考えられており、更年期によくみられ、経口避妊薬(ピル)の内服により発症や悪化を招きます。紫外線の影響を受け、季節によって濃さが変わるのも特徴のひとつ。フェイスマッサージなどの肌への刺激は症状を悪化させ、強いストレスで誘発されることもあります。

シミとは

シミは淡褐色あるいは暗褐色の色素が沈着したものです。

皮膚の一番外側にある表皮では、紫外線から肌を守るためにメラニン色素が生成されます。メラニン色素は肌の生まれ変わり(ターンオーバー)とともに排出されますが、ターンオーバーが乱れるとメラニン色素が溜まり、色素沈着を起こしてシミがあらわれます。

シミは種類により、原因・症状・治療法が異なります。一般的にシミと呼ばれるものの多くは「老人性色素班」と呼ばれるものです。そばかすや肝斑もシミの仲間です。

肝斑とシミの見分け方

肝斑とその他のシミの見分け方のポイントとなる、シミのタイプごとの症状・期間・経過を解説します。

肝斑と老人性色素斑の見分け方

老人性色素班は日光黒子とも呼ばれます。主な原因は、紫外線の影響や肌の老化でメラニンが蓄積することです。

症状:紫外線が当たる部分にできる、直径数mmから数十㎜の平らで境界がはっきりした黒っぽい丸いシミ。基本的には左右非対称。濃いシミの下に薄い肝斑があることも

期間:中年以降に増える

経過:薄い茶色から次第に濃くなり黒くはっきりしてくる、加齢によって目立つようになる

見分け方のポイントは「左右対称か非対称か」「境界がはっきりしているか否か」です。

肝斑とそばかすの見分け方

そばかすは雀卵斑とも呼ばれます。主な原因は遺伝です。

症状:直径数ミリ以下の丸い小さな点状に広がるシミ。丸くはなく、三角や四角。薄い茶褐色が多い。頬や鼻の周りなどに多く出る

期間:遺伝的要因で3歳頃から出はじめ、思春期に目立つようになる

経過:ピーク後は徐々に薄くなる。紫外線の影響で濃くなることもあり、夏場は濃く目立ち、冬場は薄くなる

見分け方のポイントは「発症時期」「小さめで境界がはっきりしているか否か」です。

肝斑と対称性真皮メラノサイトーシス(ADM)の見分け方

ADMは日光、女性ホルモン、炎症などの因子が関与し、本来存在しないはずの真皮にメラノサイトが出現し、青から灰黒色の色素班が現れます。器官形成異常ととらえると「アザ」とも言えます。

症状:左右対称にあり、小さく丸いグレーから若干青みを帯びた独特の褐色の色素沈着が散在的に見えたり、集まったりしたもの。頬や額などに見られ、頬上部外側や小鼻では斑状、目の下では帯状となることが多いです。

期間:20歳前後から出現

経過:季節によって薄くなったり濃くなったりなどの変動が少ない

見分け方のポイントは「発症時期」「色」「斑状か否か」です。肝斑(帯状や地図状で斑状にはならない)やそばかす(頬上部~鼻にかけて拡がった分布)と見間違うケースがよくあります。

肝斑とシミの治療方法

肝斑とその他のシミの治療方法は異なります。それぞれについて解説します。

肝斑

肝斑治療は「トラネキサム酸」が第一選択です。ビタミンE、ビタミンCも併用するとさらに効果が高まります。

また、他のシミ治療をすると肝斑が悪化することがあり、肝斑と他のシミが重なっている場合は肝斑治療を優先します。レーザー治療によって悪化することがあり、刺激で濃くなるため、注意が必要です。低出力のレーザーで回数を重ねて行う(レーザートーニング)ことで改善も見られます。

紫外線対策やビタミン補給だけではなかなか治りませんが、紫外線対策は必須です。

近年ではマイクロニードルRF(ポテンツァ)によりメラノサイトの働きを抑制することでメラニン産生を抑え、肝斑が改善することが報告されております。

老人性色素斑

老人性色素班の治療には、レーザーが効果的です。ほとんどの場合は1回の施術でシミを解消できることが多いです。レーザーの熱は、メラニン色素を破壊します。患部を冷やしながらレーザーを照射し、術後は軟膏を塗布しテープで保護します。その後、かさぶたとなって1~2週間程度で剥がれます。一時的に色素が濃くなる(炎症後色素沈着)が起こることがあり、半年程度で改善しますがハイドロキノン外用も有効となります。

また、原因である紫外線を避け、UVケア化粧品を使用しましょう。ごく初期のものは美白化粧品のケアも可能ですが、定着すると消えません。

そばかす

しばかすはシミ取りレーザーできれいに消えることもありますが、遺伝的要因が強いため再発することもあります。他に、ポテンツァ、IPLも有効です。IPLは特殊な光でメラニン色素にアプローチすることでシミに効果があり、コラーゲン生成促進・毛穴の引き締め・くすみ抑制などの効果も期待できます。

あわせて、紫外線を避けUV化粧品でケアしましょう。美白化粧品の効果は出にくいシミです。

対称性真皮メラノサイトーシス(ADM)

ADMは真皮内まで到達する「Qスイッチレーザー」による治療が効果的です。

表皮にできるシミと異なり、真皮内で壊れたメラノサイトが吸収されるまでには時間がかかるため、照射後3ヶ月~半年くらいかけて徐々に色がとれていきます。治療間隔は3か月から半年に1回程度です。単独であることもありますが他の色素病変と混在していることもあり、肝斑同様にトラネキサム酸やビタミンE,C内服後にレーザー治療を行った方が効果が高いです。

肝斑とシミの見分け方で迷ったら

肝斑とシミの見分け方で迷ったら、自己判断せずクリニックに相談しましょう。

どのシミにも紫外線対策は必須ですが、あるシミには効果的な治療が別のシミには効果的でないケースやかえって悪化させてしまうケースもあります。

専門家のアドバイスを活用し、適切な治療やホームケアを行い、効率的にシミの改善を目指しましょう。

肝斑とシミ治療はイセアクリニック

肝斑とシミ治療なら、イセアクリニックにお任せください。

肝斑には、外側・内側から徹底アプローチする「6か月徹底肝斑治療プラン」をご用意しています。リバースピール(肝斑部分)またはポテンツァ肝斑(全顔)いずれか10回、ピコトーニング10回の施術にホームケア・内服薬・ビタミン剤がセットになっています。

また、「メディカルスキンケアプラン」は1回で3STEPの施術内容をそれぞれ選択し、治療を行います。レーザー(スペクトラ)、アキュティップ、IPL光治療などが選択可能です。

シミか肝斑か見分けがつかない場合も、無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。

肝斑とシミの見分け方に関するよくある質問

肝斑とシミの見分け方はある?

答え

肝斑と一般的なシミ(老人性色素班)は、左右対称か、境界がはっきりしているかの違いがあります。

肝斑:主に頬骨あたりにできる、左右対称、薄い褐色のもやっとしたシミのこと。目の周囲には出来ず、色が抜けたように見えます

老人性色素班:紫外線が当たる部分にできる、左右非対称、平らで境界がはっきりした黒っぽいシミ

肝斑とシミの見分け方で迷ったときはどうする?

答え

シミは見分け方が難しく、種類により治療法が異なるため、見分け方に迷ったら専門家に相談しましょう。

肝斑とシミは消える?

答え

肝斑もシミもレーザーや内服薬、外用薬などにより治療できますが、それぞれ優先する治療が異なります。肝斑はトラネキサム酸の内服、老人性色素班はレーザー照射がおすすめです。

まとめ

今回は以下の内容について説明させていただきました。

・肝斑とシミの違い

・肝斑とシミの見分け方

・肝斑とシミの治療方法

・肝斑とシミの見分け方で迷ったら

・肝斑とシミ治療はイセアクリニック

肝斑はシミの一種ですが、シミの種類により原因や治療法は異なり、誤った治療により症状が悪化してしまうこともあります。

肝斑は主に両頬に左右対称にあらわれるもやっとしたシミで、40代以降に見られます。その他のシミとの見分け方のポイントは、「左右対称か否か」「色・形」「発症時期」などです。似たものもあり見分け方は難しいため、迷ったらクリニックで医師の診察を受けましょう。

イセアクリニックでは肝斑専用の治療メニューもご用意しています。お気軽にお問合せください。

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日本形成外科学会 認定専門医 日本皮膚科学会 認定専門医 権東 容秀
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