痩身と体重の減少は別!施術前に知っておきたい脂肪吸引に関する誤解

食事制限や運動によるダイエットはつらいものです。それに比べ、努力なしで痩せることのできる脂肪吸引は、とても魅力的に写ります。ただ、何事にもデメリットは存在するものです。確かに、脂肪吸引を行えば見た目はスリムになりますが、メタボの根本的な解決にはならないのです。どういうことなのかを順を追って説明します。
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脂肪吸引ではあまり減らない体重

脂肪吸引は、体内の脂肪細胞を除去する痩身法です。例えば、腹周りにたっぷりとお肉がある人は、その部分の脂肪細胞を取り除いてやれば、すっきりとしたウエストを手に入れることができます。当然、体重もそれに見合ったものになると思われがちですが、実はそうではありません。もちろん、脂肪細胞が減っているのですから、その分は減少します。しかし、その数値は想像以上に少ないのです。
ポイントは、脂肪細胞が水よりも比重の小さな軽い物質だということにあります。コンビニで売っている2リットル入りのペットボトルを想像してみてください。水より軽いのですから、それだけの量の脂肪細胞を取り除いても減量効果は2キロ以下です。理屈上では、より多くの脂肪細胞を取り除けば、体重はいくらでも減らせることになります。しかし、体重が大きく変わるほど脂肪吸引を行えば、身体への負担は並大抵のものではありません。そのために健康を損なっては本末転倒です。つまり、脂肪吸引は減量法ではないのです。そのことを、しっかり理解してください。

見た目がスリムになっても解決しないメタボの問題

「体重が減らなくても、体型がスリムになればそれでいいのでは?」と思う方も当然いるでしょう。しかし、考えてみてください。体がスリムになっても体重が減らないのなら、肥満で増加した分は一体、どこにあるのでしょうか?
そもそも、人が食べ過ぎや運動不足によって見た目が太るのは、腹部、腰、太もも、二の腕、顔の頬、首回りなどの皮下脂肪に脂肪が吸収され、脂肪細胞が肥大化するからです。だからこそ、脂肪吸引によってそれらの脂肪細胞を除去すると、見た目はスリムになります。しかし、問題は、脂肪細胞が皮下脂肪以外の場所にも存在することです。消化器官を支える腸間膜という部位がありますが、脂肪はそこにも溜まっていきます。内臓脂肪と呼ばれているもので、これが生活習慣病の予兆となるメタボを引き起こしているのです。
内臓脂肪が増えても見た目はそれほど変わりませんが、健康面では皮下脂肪より遥かに深刻な問題をもたらします。ところが、この部分の脂肪細胞は、臓器に近すぎるために取り除くことが出来ないのです。さらに最近は、異所性脂肪が注目されています。これは臓器の中にある脂肪で、もちろん、脂肪吸引ではどうすることもできません。
脂肪吸引はあくまでも体型を改善するものであって、メタボの治療法ではないのです。
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脂肪吸引後は生活習慣の見直しが大切

脂肪吸引でよく言われるのが、通常のダイエットと違い、リバウンドしにくいということです。確かに、それは間違いではありません。皮下脂肪の脂肪細胞が少なくなっているわけですから、太りににくいのは当然のことです。ただ、そのことは、健康面から考えれば大きなリスクにつながります。
太らない体を手に入れると、食べ過ぎても見た目の変化が少ないので、食生活に気を使わなくなりがちです。しかし、余分な脂肪は、内臓脂肪や異所性脂肪となって蓄え続けられています。それに気づかずにいると、生活習慣病のリスクはどんどん高まっていきます。見た目で分からないからこそ、脂肪吸引後は、今までにも増して生活習慣に気をつけなければなりません。
脂肪吸引自体は素晴らしい痩身法ですが、それだけに頼らず、生活習慣の見直しなどが大切になります。

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