脂肪吸引した脂肪で豊胸を行なう場合の失敗リスクとは

脂肪注入による豊胸手術は、シリコンバッグなどを利用して行う施術に比べて自然な仕上がりになるのが魅力です。しかも注入に使う脂肪は脂肪吸引で確保するので、豊胸と同時に痩身も可能です。しかし一方でリスクもあります。施術を検討する前にこうした失敗のリスクについて理解しておきましょう。

バストの大きさが左右で違う?

脂肪注入による豊胸手術では、皮下脂肪から抽出した自分自身の脂肪細胞をバスト内に注入します。この注入された脂肪細胞がどれくらい正常に定着するかが成功の鍵になります。それによってバストの大きさを左右する脂肪組織の量が増え、半永久的なバストアップを実現することができるのです。コンデンスリッチ豊胸といった高い定着率を誇る術式もありますが、実際にどれくらいの脂肪細胞が定着するかは術後にならないと分かりません。定着率を左右するのは、使用する脂肪の純度および医師の技量です。注入する脂肪の質が悪かったり、あるいは注入する量にムラがあったりすると、胸の大きさや形が左右で大きく異なってしまう原因になります。また注入した脂肪細胞が壊死して大きなしこりとなり、結果的に左右差が出てしまうこともあります。

young woman checking her breast measurement isolated over white background, asian

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バストのさわり心地、異常あり

女性の乳房は大半が脂肪でできています。そのため通常ならば柔らかいものです。脂肪注入よる豊胸は、その乳房特有の柔らかな触感を残すことができるのが大きな利点です。しかし豊胸手術で脂肪注入を行った際、術後に乳房が硬く変化してしまうことがあります。確かに手術後のダウンタイムは腫れなどの症状が出るため、ある程度乳房に硬さが出てしまうことは避けようがありません。しかしこれらは時間が経てば次第に解消していくのが普通です。しかし一定の期間が経過しても、乳房の硬さがとれないことがあります。部分的に硬くなることもありますし、全体が硬くなることもあります。そうなると触ったときに違和感があるだけでなく、場合によっては痛みを伴うこともあります。

Woman Wearing Bra Examining Breast

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バストの表面に凸凹が

脂肪を注入した部位の皮膚が凸凹になってしまうことがあります。ひどい場合には、目で見ても明らかにその凸凹がわかってしまうケースもあります。そうなってしまうと、いくらサイズアップできたとしても見た目に悪影響が出てしまいます。これは一度に大量の脂肪を注入したときに特に起こりやすくなります。脂肪注入一回で注入できる量は片胸200cc前後といわれており、しかも少量を数箇所に分けて細かく入れていく必要があります。この技術がマルチプルインジェクション法やマイクロドロップインジェクションシステムと呼ばれるものです。しかし悪質なクリニックの場合にはこうした安全な施術方法をとらないことがあるのです。一回の施術でバストを大きくしたいからといって、大量の脂肪注入をすすめるクリニックは避けなければいけません。

内部のしこり、石灰化

見た目には特に異常がなくても、組織の内部でしこりや、カルシウムの沈着による石灰化といった異変が起こっていることもあります。これらはエコーなどですぐに発見することができます。そのため乳がん検診で異常ありとして引っかかってしまうことになります。しこりや石灰化は注入した脂肪細胞が壊死してしまうことにより起こります。注入した脂肪細胞が成長するには酸素が必要です。しかし注入した脂肪の中心に酸素を運搬する血管が行き渡らないと細胞が定着できずに壊死してしまいます。この壊死した脂肪の塊に皮膜ができたり、カルシウムの殻ができたりするのです。小さなしこりの場合はそのうち体内に吸収されていくことが多いです。しかし一定の期間が過ぎても残ってしまったり、石のように硬くなってしまったりしたときには医師に相談するようにしましょう。ベイザーリポによる除去手術などの解決策を提案してくれます。

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